特集 名古屋市の保健婦活動
住民とどう結びつくか
保健婦でなければできない仕事を
池田 圭子
1
1名古屋市千種保健所
pp.251-254
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205259
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はじめに
私が保健婦の道にとびこんだのは昭和25年,いまからふた昔も前のことである。この長い道のりを,戦後の保健所の変遷とともに,ひいては保健婦の歴史の一端をになって歩いてきたといえる。昭和27年講和条約が発効するまでの,公衆衛生活動のめざましい発展期,その後にきた予算の頭打ち,人員の削減政策などによる"公衆衛生たそがれ時代",それから現在に至る高度経済成長に伴う,都市環境条件の悪化によりもたらされた地域保健問題の変ぼうなど,移りかわる時代の背景とともに,保健婦の働きかたは変わってきているが,そのときそのときをせいいっぱいに生きてきたと思う。
しかし,この20年間を振り返ってみて,大都市に働く保健婦として,地区住民の健康問題にどれだけかかわりあい,役立ってきたのだろうかと反省するとき,1人の力の無力さに考え込んでしまう。
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