特集 介護予防をどうすすめる?・1 老人保健,介護保険制度の改革
高知県の介護予防への取り組み
今井 淳
1
1高知県健康福祉部保健福祉課
pp.634-638
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100121
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高知県は,平成16年10月1日現在の推計人口813,949人,高齢化率25.3%(全国第3位),年少人口割合12.9%(全国第45位),2025年に高齢化のピーク(高齢化率33.7%)を迎える,全国に比べて10年先をいく少子高齢化県である.老人医療費は1人当たり年間86万円(全国第6位),要介護認定率15.1%,要介護度2以上の施設入所率は51.8%で,高騰する医療費と介護保険料が大きな財政上の課題となっている.このため,高知県健康福祉部では「治療から予防へ,施設から地域へ」の社会仕組みづくりを経営方針・政策形成の基本的な視点に掲げ,「介護予防の体系的な推進」を重点課題に取り組んでいる.
介護予防への取り組みのきっかけ
高知県香北町では高知大学医学部老年病科の支援を受けて,平成2年度から高齢者の生活機能に着目した取り組み(香北町長寿計画)を実施しており,ADL自立度の大きな改善と,老人医療費の低減に効果が上がったことから,全国的にも注目を浴びていた.この取り組みを参考にして,平成13年度に,管轄の現・中央東福祉保健所から生活機能をチェックできる「高齢者健診」の施策化への提案がなされた.「健診」という手段をどのように「介護予防」に活用するのか,高知大学医学部の協力も得ながら,平成14年度に研修を重ね,介護予防への機運を高めていった.
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