連載 在宅看護論の実習・10
在宅看護実習に関する討論・4―在宅看護技術の開示
川村 佐和子
1
1東京都立保健科学大学看護学科
pp.812-814
発行日 1998年11月15日
Published Date 1998/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901753
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利用者は訪問看護をどう選ぶのか
◎日本の実情は
前回,在宅看護における倫理について述べた.その際,倫理原則の中に,「無害の原則」があることについて触れた.
訪問看護婦が利用者に害を与えないということはあたりまえのことだと誰しも考えている.実際に害を与えていないのだと私も思っている.しかし,今日のサービスで用いた技術は害がないとどうして言いきれるのだろうか.今のところ「利用者から苦情がでていない」という理由だけではさびしい,「このような考え方や根拠によって行ないました」ときちんと回答したい.もう少し突っ込んでみると,利用者に対して事前に「このように判断してやります」とか,「このような手順で行ないます」とか,「こちらの判断法や手順の作成根拠はこれこれです」ということを説明したいものである.
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