特集 利用者の声を聞く
ALS患者の日常生活を地域社会で支える―難病患者にとっての専門家・非専門家
小林 明子
1
,
小川 暁
2
,
小川 暁代
2
,
池田 節子
3
,
松村 道子
4
,
松本 幸子
5
,
細見 暢子
6
,
稲葉 典子
6
,
岡本 恵治
6
1中部学院大学人間福祉学部
2日本ALS協会福井支部
3済生会訪問看護ステーション
4福井市福祉公社
5第1看護婦・家政婦紹介所
6福井県立大学
pp.619-633
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901706
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はじめに
高度医療を必要とする在宅患者がますます増加傾向にある今日,介護保険導入を目前にして,医療・保健・福祉の専門家達の話題はもっぱら,ケアマネジャーやケアプランである.また,専門家の連携やネットワークに関する重要性は誰もが力説している.しかし,このような動きは,常に専門家中心の専門家業界の動きである.そして,この業界の流れは,しばしば当事者の声を抜きにして先行してしまうことがある.それでは,利用者である患者や家族の声はだれがどこで受け止め,ケアやサービスの充実に反映されてゆくのであろうか.
ともすれば社会的な弱者となりやすい患者・家族が,同病の患者や支援者と組織を作り,支え合ったり患者のケアやサービスの改善に関して声をあげる「患者会」という活動がある.内容によっては患者の代弁者としての役割も果たす.
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