心起こし身体起こし・7
患者こそ専門家
河津 孝一
1
1心と身体のカウンセリング健塾
pp.708-709
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902049
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講演会の冒頭で,こんなことをよくやる.「立ってください…座ってください…立ってください…座ってください…あと30回繰り返してください…(会場がザワザワ,ブーイングが起きるまで立ち座りを繰り返す)『もういいかげんにしろ!』と思う人,手を挙げて下さい(一斉に手が挙がる)」
立つ,座るということを,ただそれだけのために行なう人はいない.何か動作を起こすのは,その先に何らかの目的や価値をみたときだ.あなたの目の前にリンゴがあったとする.それがとても美味しそうで食べたいと思う.そこまで歩かなければならないなら,立ち上がり,歩くという動作を起こす.本来そう言った感情の前提があって人は初めて動作を起こす.このように感情や意味の前提がある動作を,私は行為と呼んでいる.
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