特集 訪問看護・介護と法律
在宅ケアにおける看護業務の現状と課題
正野 逸子
1
1産業医科大学産業保健学部看護学科
pp.467-472
発行日 1997年7月15日
Published Date 1997/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901682
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はじめに
◎在宅ケアにおける看護職の業務に関する2つの問題
昭和23年の保健婦助産婦看護婦法(以下保助看法と略す)では,看護婦の業務を療養上の世話と診療の補助業務に規定している.制定時には,誰も今日の医療社会状況を想像できなかったであろうが,高齢社会とともに在宅ケアの推進が必要となり,また,医学の進歩とともに医療依存度の高い患者の在宅療養が可能となって,QOLの向上を求めて在宅療養が急速に広がってきた.このような医療社会の変化にもかかわらず昭和23年以来,看護職の業務範囲についての法の改正はされていない.しかし現実には,在宅ケアにおける看護職の業務は,患者や家族に対する療養の世話および生活指導から治療を含めての診療の行為まで幅広く行なわれ,看護職は多くの問題を抱えながら在宅ケアを実践している.
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