今月の主題 パーキンソン病とその周辺
パーキンソン病の臨床
パーキンソン症候群の鑑別
近藤 喜代太郎
1
1新潟大・脳研神経内科
pp.192-193
発行日 1979年2月10日
Published Date 1979/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215752
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はじめに
パーキンソン症候群は患者数の多い神経疾患の一群であり,近年,多くの方面から注目を浴びている.本稿の目的は,実地臨床で役立つように,パーキンソン症候群を中心とした疾患の鑑別について述べることである.
パーキンソン症候群は,静止性振戦,筋固縮,無動症を3主徴とする病態を指すが,そのうちで原因不明のいわゆる本態性の症例を特発性(本態性)パーキンソン症候群,または単にパーキンソン病とよび,原因を指摘し得る症例を症候性パーキンソン症候群とよぶ.一方,パーキンソン症候群の特徴を部分的に共有するさまざまの遺伝変性性疾患があり,また,このような疾患ではないが,ときにパーキンソン症候群と紛らわしい特徴を呈することのある疾患がある.そこで,パーキンソン症候群の鑑別診断では,これらの種々の疾患が問題になる.
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