連載 快適な療養生活のために―生理人類学への招待・17
高齢者の生体リズム
本橋 豊
1
,
金子 善博
1
,
阿原 美生
1
,
樋口 重和
1
1秋田大学医学部公衆衛生学講座
pp.668-671
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901539
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高齢者の生体リズム
人間の身体にはさまざまな周期の生体リズムがあります。その代表がサーカディアンリズム(概日リズム)と呼ばれるもので,約24時間の周期をもつリズムです。睡眠・覚醒のリズムや体温リズムがその代表です。その他に,約1か月のリズム(サーカメンシュエルリズム:女性の月経周期など)や約1年のリズム(サーカニュアルリズム:男性ホルモンの1年のリズムなど)も認められます。このように,人間の身体はさまざまな周期の生体リズムが重層的に機能している時間構造を持っています。
生体リズムは年を重ねるに従って,老化していくことが知られています。高齢になると朝の目覚めが早くなったり,昼寝を多く取ったりするようになりますが,これは生体リズムの加齢現象であると考えられています。では,現実の看護や介護の場で生体リズムはどのような関わりを持っているのでしょうか?
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