Japanese
English
シンポジウム 痴呆とパーキンソニズム
パーキンソン・痴呆コンプレックス(グアム)
A Reappraisal of Parkinsonism-dementia complex on Guam
村上 信之
1
Nobuyuki Murakami
1
1国立療養所東名古屋病院神経内科
1Department of Neurology, Higashi Nagoya National Hospital
pp.1269-1276
発行日 1988年11月15日
Published Date 1988/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204619
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I.はじめに
パーキンソン病にしばしば痴呆を合併することが改めて注目され,報告も多くみられるようになった1,2)。また種々の神経疾患の中で,いわゆるパーキンソニズムを伴う一群に痴呆を合併することも同様に注目され,分類整理されてきている3)。
これらの疾患,すなわちパーキンソニズムと痴呆を呈する疾患を時としてパーキンソニズム痴呆コンプレックス,Parkinsonism-dementia complex(以下PDと略)と安易に呼ぶことがあるが,これは本来はグアム島のChamorro人に地域的に発生する特異な神経疾患に与えられた臨床的,および病理学的診断名で,PDは明らかに確立された疾患概念である。本稿ではPDの概説を行い,紛らわしい使い方を避ける意味で,またパーキンソン病やアルツハイマー病,他の類縁疾患とは種々の面で異なることを再認識し,全体像を理解することを目的とする。
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