特集 訪問看護師の住環境整備支援
福祉用具研究会の活動と訪問看護師の視点からの住環境整備
大山 美智江
1,2
1福岡県立大学福祉用具研究会
2前:社会保険田川病院訪問看護ステーション
pp.536-541
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901515
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はじめに
介護保険制度では生活支援策のための介護サービスとして,福祉用具の貸与・購入,住宅改修が導入されている。マンパワーによる生活支援も重要であるが,福祉用具を含めた住環境の整備も自立支援や介護負担の軽減という視点から非常に大切な要素である。特に訪問看護師は直接在宅ケアに関わっており,利用者のニーズを把握できる立場にいることから,看護技術の提供だけでなく,医学の専門的視点からさらに住環境整備も踏まえた支援ができれば,利用者の在宅での生活の質の向上に繋がる。
訪問看護師として在宅に訪問すると,現状ではまだその役割が十分に発揮されていないと感じる事例もある。もちろん訪問看護師が必要性を感じていても利用者にディマンドがなければすぐに支援にはならない。特に福祉用具の導入は選定も難しく使い勝手がよくないと利用者は二度と使いたくないと感じ,ましてや住宅改修は知識や経験がないとアプローチにも躊躇してしまう。私も数年前に訪問看護師として在宅に出向いた時には,住環境整備の必要性は感じてもどのように支援してよいのかわからずに困った。また,週に何回かわずかな時間の訪問によるマンパワーの提供では自立支援とはほど遠いと実感していた。
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