特集 病院・施設での福祉用具供給システム
医療機関から在宅へ—福祉用具の継続性と住環境整備について
横山 俊之
1
1株式会社トーカイ シルバー事業本部業務部企画課
pp.124-128
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200316
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はじめに
わが国の65歳以上の高齢者人口は現在,約3,395万人に達しています。団塊の世代が75歳以上となる2025年には3,657万人となり,さらに2042年にピークを迎え約3,878万人に及ぶと言われています1)。一方で,少子化の影響ですでに人口総数の減少は進み,今後かつてないほどの高齢化を迎えることになると言われています。そして,その高齢となった人々が要介護状態になっても,可能な限り住み慣れた地域で,自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう,国は地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。
また,この地域包括ケアシステムを実現させるため,今ある限られた医療資源を効果的・効率的に活用する必要があり,2025年に向けて病床の機能分化・連携を進め,地域ごとの医療提供体制を構築(地域医療構想)することが必須と言われています。図12)によると,2025年には病床の総数は減りますが,回復期においては現在の3倍以上の規模になるとされ,在宅や居住系施設への在宅医療を強化する方針が示されています。すなわち,今後は医療機関から在宅や居住系施設への流れが加速するとともに在宅療養がますます推進されることになると読み解けます。特に高齢者を医療機関から在宅へシームレスにつなぐためには医療機関と介護サービス側との連携を密にする必要があります。われわれ福祉用具の事業者としてもご利用者の退院に向けた住環境整備を多職種と連携を図りながら行わなければなりません。その中でも福祉用具は医療機関から在宅へ継続性を持たせる必要があります。筆者の経験談を交えてお伝えしたいと思います。
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