Japanese
English
特集 住環境整備・住宅改修のポイント
生活動作からみえてくる住環境整備の視点
Home environment modification based on activities of daily living
寺田 佳世
1
Kayo Terada
1
1石川県リハビリテーションセンター
pp.528-535
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202528
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Key Questions
Q1:住環境整備の留意点は?
Q2:住環境整備における支援のプロセスは?
Q3:生活支援から伝えるユニバーサルデザインとは?
はじめに
人は加齢や障害等によって身体機能が低下すると,動きづらいことを理由に自らの活動範囲を制限し,日常生活および社会生活を徐々に狭めてしまうことがある.本人が今まで通りの生活を送るためには,できなくて困っていることを一つずつ解決していく支援(以下,支援)の遂行がOTには求められ,その支援が適切になされれば,対象者の日常生活の自立度が向上し,生活意欲や社会参加への積極性が増してくる.
これらの具体的な手段の一つに住環境整備(以下,住整備)があるが,支援を進めるうえで,「本人の動作能力を的確に捉え,その能力と環境と道具の調和」ということを常に念頭に置くことが重要なファクターとなる.この実践の場面では,医療はじめ,福祉,建築,工学等さまざまな専門分野の知識と技術が必要になる.
このような場面で,本来OTは住宅改修をすることを目標にするのではなく,対象者が望む生活とそれに必要な生活動作の見方,さらに安全で自立度の高い動作を獲得するための住環境の留意点を把握し,これらの情報を連携する他職種に適切に伝えることが重要な役割である.
Copyright © 2021, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.