特集 慢性呼吸不全を考える
慢性呼吸不全―在宅療養を支援するために
後藤 里江
1
,
木田 厚瑞
1
1東京都老人医療センター呼吸器科
pp.96-102
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901454
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慢性呼吸不全とは
■定義,分類
呼吸不全とは,「種々の原因により,動脈血ガス所見として低酸素血症,加えて高二酸化炭素血症を来たし,臓器が正常の機能を営み得なくなった状態」と定義される。低酸素血症に加えて,高二酸化炭素血症があるか否かでⅠ型呼吸不全とⅡ型呼吸不全とに区別される(図1)。発症の時間的な経過から急性,慢性に分類するが,通常は1か月以上継続しているものを「慢性呼吸不全」としている。
このように,呼吸不全の定義は安静時に室内気の吸入下で測定した,動脈血ガスのデータが基本となっていることに注意する必要がある。呼吸困難が高度にあるからという理由で呼吸不全と判断してはならない。
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