特集 慢性呼吸不全を考える
慢性呼吸不全患者を通して“生活支援”を考える
太田 貞司
1
1北海道浅井学園大学
pp.110-114
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901443
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
有珠山噴火と肺気腫の人たち
在宅酸素の肺気腫の人たちの問題の1つは,医療や看護とのつながり,もう1つは介護者問題であると思われる。しかも,この介護者問題が,要介護者の日常生活をどのように捉えるのかという最近の介護の課題と強く結びついている。この意味で肺気腫の人たちの問題はもっと考えられてよい課題である。
最近,次のような事例を知った。北海道の有珠山の噴火の時に(平成12年3月31日),高齢要介護者,身体障害者,知的障害者(児),聴覚障害者,視力障害者,精神障害者がどのように避難し,その後生活がどう変わったかという調査を虻田町の病院,保健婦,社協関係者および道社協が行なっていて,私もその一員として参加している。そのなかで,人工透析の人たちや在宅酸素の肺気腫の人たちの避難行動や被災後の生活の変化について現在調査中であるが,改めて肺気腫の人たちの介護問題が重要であると考えさせられた。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.