連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 患者の選択と情報の提供
石田 昌宏
1
1日本看護協会政策企画室
pp.54
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901387
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今年もまた医療制度改革という言葉が新聞紙上に目立つようになってきた。2000年の介護保険制度施行にあわせ医療も大きく改革しようとの動きが始まったのが,1997年に厚生省が「21世紀の医療保険制度(厚生省案)」を明らかにした時から。しかしこれは多くが先延ばしになったため,改めて2002年を目標に制度改革を試みようとしているところ。この稿が読まれるころには,案がほぼ固まっているであろう。
新聞では,「老人医療が70歳から75歳に引き上げられる」「健康保険の保険料が月収を基本とする計算から総報酬制(年収をベースとする方式)へ」「保険によって異なる自己負担をすべて3割に統一」などの見出しがよく見られる。国民にとって負担増は必至だ。また医療機関にとっては“診療報酬引き下げ”をめぐって熾烈な駆け引きが続いている。駆け引きの参加者も,従来なら厚生労働省や関係団体そして各政党が中心となっていたが,今回は経済財政諮問会議や総合規制改革会議といった内閣総理大臣直轄の会議までもが加わり,まさに混沌とした激論が続いている状態である。
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