連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 離職率
石田 昌宏
pp.355
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101599
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日本看護協会が2009年の看護職の労働環境に関する調査結果を発表した。毎年行なっている「病院における看護職員需給状況調査」と4年に1回行なっている「看護職員実態調査」だ。
一番の注目は離職率である。まず常勤職員の離職率は,2004年が11.6%,以降12.1%→12.3%→12.4%→12.6%とじわじわ増加していたが,今回の2009年の調査結果は11.9%と減少に転じた。一方,新人職員の離職率は,2004年からの5年間は9.2~9.3%とほぼ横ばいであったが,2009年は8.9%と同じく減少した。いい傾向である。全国の現場を回っていて,「退職者が減った」という話を最近よく聞くようになってきたから,私の実感と一致している。しかし,減少の理由はまだ定かではない。労働環境の改善の成果であればいいが,ひょっとしたら社会全体の不況が影響しているのかもしれない。
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