連載 ケアはつづくよ・6
生活臭
飯島 惠道
1
1東昌寺
pp.508-509
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901332
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今年1月,私の知り合いが入院した。がんの再発(胃がん肝転移)だった。一昨年,腫瘍摘出術を受け,その後は家業に,畑仕事に精を出していたのだが,新世紀を迎えて間もなく体調を崩し入院した。その方の入院を知ったのは,2月中旬のことで,お見舞いに伺ったときには,すでに黄染著明で意識も朦朧とした状態だった。かっぷくのよかった頃を知る私は,彼女の痩せ細った体をみるだけで,状態の悪さを知ることができた。
彼女が入院している病院は,比較的歴史の古い病院なのだが,2~3年前に増築され,彼女は増築したほうの建物で療養生活を送っていた。彼女の部屋はトイレ付きの個室であり,付き添いのための革張りのソファーベッドも用意されていた。部屋全体のイメージとしては,とても優しくやわらかい感じがして,好感が持てた。部屋の作りだけを見たら,私が以前勤務していたPCUと大差がないようにも思えた。
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