薬の臨床
婦人性器不快臭とそのMetronidazole投与成績
青河 寛次
1,2
,
山路 邦彦
1,2
,
杉山 陽子
1,2
Kanji Seiga
1,2
1神戸社保中央病院産婦人科
2近畿母児感染症センター
pp.993-998
発行日 1971年9月10日
Published Date 1971/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204496
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I.いとぐち
Trichomonas vaginalis感染に対するMetronidazoleの的確な化学療法効果については,われわれも一連の研究成績の発表7)をつづけてきた。Trichomonasと嫌気性細菌とは,ともに嫌気性微生物であり,腟,口腔に寄生しやすいという共通点を有するので,嫌気性細菌に対する同剤の抗菌作用が着目され,鈴木・上野らによりinvitro, in vivoでの検討が行なわれている。一方,子宮癌悪臭や口臭に対する本剤内服の有効性が臨床的に明らかとなり,近年注目されている。したがつて,これら体腔内より発する不快臭は嫌気性菌の増殖によるものではないか? との考えが,最近,抬頭してきつつある。
しかし,臭いの表現評価には客観性にかなり問題があるので,婦人性器臭の臨床所見の一端を明らかにし,次いでMetronidazole投与効果を追求した結果を,以下報告する。
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