特集1 行って見て聞いた オープンダイアローグ発祥の地ケロプダス病院
収容所臭のないところはトリエステそっくり!
大熊 一夫
pp.21-22
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200174
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3つのびっくり!
ジャーナリストの僕が精神保健に関心を抱くようになって、ちょうど45年。その間、先入観をはるかに超える事態に3回遭遇しました。
1番目のびっくりは1970年。僕はアルコール依存症を装って、都内の精神病院に潜り込みました。認知症と重症心身障害者が入れられている「不潔部屋」という表札の掛かった檻、扉のないトイレ、退院の見通しを聞かされず不安いっぱいの入院者の群れ、怖い牢名主、懲罰的電気ショック……鉄格子の内側がひどいという話は聞いていましたが、こんな奴隷的扱われ方が横行しているとは夢にも思いませんでした(詳しくは『ルポ・精神病棟』朝日新聞社刊を)。
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