連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 家族の距離感
石田 昌宏
1
1日本看護協会政策企画室
pp.912
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901239
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介護保険サービスの提供量のバランスは決してとれているわけではなく,入所サービスに偏っているといわれている。その結果,例えば,在宅で要介護高齢者をかかえる家族がショートステイを利用する時,始めのうちは月に数日の利用であったのが,だんだん頻度・期間が長くなり,そのうちに入所を希望し始める場合が多いという。ショートステイ入所日の家族の顔は明るいが,退所日に迎えに来た時の顔は暗く,なんとも言えない情景がみられる。
一度入所できてしまうと,今度は状態が落ち着いてもベッド確保のために二度と退所したがらない。そのうち家族の面会もだんだん減り,疎遠になっていく。このようなことは今でも決して稀なことではなく,介護保険以降も在宅での要介護高齢者のケアの持続が困難であることに変わりないことがわかる。
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