特集 いま求められる在宅栄養管理とは
特集4
食から考える「介護」―食べる楽しみを再認識した楽寿食教室を開催して
平松 直子
1
1小山台訪問看護ステーション
pp.908-911
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901238
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はじめに
訪問看護ステーションに訪問看護婦として勤務している私たちは,在宅療養されている利用者のお宅へ毎日訪問している。利用者の大半は高齢者であり,疾患にかかわらず,多くの方が食事や水分摂取についての悩みを抱えている。一般的に高齢者は,自分の歯を持っていても数本しかない場合もしくは総義歯という方が多い。噛み合わせの不良もあって食事内容が一般食というわけにいかない。また嚥下動作がスムーズにいかずムセやすいため,水分摂取も何でもいいというわけにはいかない。
食事・水分摂取が長期的に十分にできていないと,全身状態の悪化を招く大きな要因となり,在宅での療養はもちろん生命維持も危ぶまれることになる。「食べる」「水分の摂取」は,人間が生きていく上で必要不可欠であり,老化や何らかの疾患によってこの当たり前のことができなくなることへの対策は,在宅療養者を援助する訪問看護にとって取り組まなければいけない最重要課題である。
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