特集 「外来でがん薬物療法を受けている人」の依頼を受けたときに
がん看護専門看護師に聞いた! “私はこう関わる”
高齢がん患者の外来治療を訪問看護でサポートする—治療期の支援の事例から
熊谷 靖代
1
1野村訪問看護ステーション
pp.194-199
発行日 2022年5月15日
Published Date 2022/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201852
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増える高齢のがん患者
近年、日本人口の高齢化や独居率の上昇から、高齢者の独居や高齢世帯が急激に増加している。一方で、がん治療は入院の短期化や外来への移行により、自宅で療養しながら病院に通うスタイルが主になっている。特に近年の化学療法は、入院して行うものではなく、「内服治療」や「外来での化学療法」「短期入院を繰り返しながらの化学療法」など、「副作用出現が考えられる大半の時間は自宅で過ごす」ことが多くなっている。
このような変化により、時に「がん治療のためのセルフケア能力が乏しい高齢者であっても、外来で治療を受け、大半の時間を自宅で過ごさなければならない状況」が生まれている。しかし、すでに多くの内服薬の管理を行ったり自身の不調を訴えることが難しかったりする高齢者にとって、何らかのサポートなしに治療継続に必要なセルフケアの実践は難しい。
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