連載 「みんなの認知症見立て塾」出張講義 認知症「見立て」の知「対応」の技・第1回【新連載】
認知症を「見立てる力」が欠かせない
上野 秀樹
1
,
内田 直樹
2
1千葉大学医学部附属病院地域医療連携部
2医療法人すずらん会たろうクリニック
pp.320-323
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201424
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CASE
87歳の女性のAさん。2人の子どもはそれぞれ県外に家庭を持っており、現在は夫と二人暮らしをしています。もともと専業主婦で几帳面な性格の方でしたが、7〜8年前からもの忘れが目立つようになり、同じものをいくつも買ってくるようになりました。次第に日々の料理や掃除もしなくなり、今では夫が家事をしています。
高血圧と糖尿病で、近隣の内科に30年以上通院していましたが、3年ほど前からは「自分はどうもないから」と言い、通院を嫌がるようになりました。そのため、夫が代わりに薬をもらいに行っています。
最近、Aさんは「財布を盗られた」という妄想を抱くようになったため、夫はその対応に苦慮。主治医の先生に相談したところ、介護保険の申請を勧められ、訪問サービスが導入されることに——。
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