特別記事
在宅看取り日本一の街の看護師たちが、自らの看護を振り返って—但馬地域での勉強会から
山本 大祐
1,2
1但馬地区訪問看護ステーション連絡協議会
2関西医科大学看護学部
pp.302-306
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201419
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在宅で看取ったのは「私たちだけではない」と知って安堵
2016年7月7日、「在宅死割合、豊岡市が全国1位」という記事が全国の新聞各紙に掲載されました。この記事を見て、兵庫県豊岡市や周辺地域の訪問看護師はまさかと驚き、地域の医療関係者はなぜかとその背景要因を考えました。
一方で、在宅看取りをされた遺族の中には安堵された方もおられたと聞きました。「新聞を見て、家で亡くなったのは、私の家族だけじゃないと分かったから」という理由でした。在宅死割合が高いとされる地域においても、「在宅看取り」に対する心理的なハードルは高く、在宅で看取った後も「本当にこれでよかったのだろうか?」と悩み続けていたわけです。在宅看取りを支えてきた私たちですが、当事者のことを分かっているようで分かっていなかったのかもしれないと思わされました。
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