特集 訪問看護師の臨床推論—私たちはどういうプロセスで考え、判断しているか
—【Lecture2】—訪問看護師のための臨床推論
清水 奈穂美
1
1滋賀医科大学医学部看護学科
pp.110-118
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201374
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臨床推論、なぜ必要?
そもそも、臨床推論とはどのようなものでしょうか。定義は後述するとして、臨床推論を端的にいうと、「特定の状況下で、最良の判断に基づく行動を起こすことを可能にするための思考のプロセス」になります。私の講義では、思考のプロセスを「分析的に検討する過程」「フレームワーク」と言い換えたりもしています。
といっても、何か目新しいものというわけではありません。日常の「何かを判断する」場面において、私たちは頭の中でさまざまな推論をしています。「あれか、これか、それか」—で迷ったとき、あれとそれはきっと違うから「これ」だろうといった思考過程を経て、判断しますよね。これは「消去法」という思考のプロセスを経て判断に至った、と説明できるものです。
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