特集 訪問看護師の臨床推論—私たちはどういうプロセスで考え、判断しているか
—【Lecture1】—訪問看護師に知ってほしい「臨床推論」の基本
喜瀬 守人
1,2
1川崎医療生活協同組合 久地診療所
2日本プライマリ・ケア連合学会
pp.100-107
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201373
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臨床推論とは
診断と治療は、医療における医師の役割の両輪であるといわれます。診断に関する学問が「診断学」であり、主に診断のために必要な知識やスキルの体系を指します。例えば、症候についての知識、病歴聴取や身体診察のスキル、鑑別診断や検査計画、臨床上で得られる情報の解釈のルールなどが含まれます。
「臨床推論」は、その診断学を支える中心的要素の1つです。ただし、臨床推論の定義には「さまざまなデータを組み合わせたり組み立てたりして1つあるいは複数の診断仮説を立て、さまざまな検査や治療の利益とリスクの折り合いをつけ、患者のマネジメント方法を構築する、という一連の推論戦略からなる*1」(筆者訳)とあることから、実際には診断に限ったものではありません。しかし、本稿では話を分かりやすくするために、主に「診断にまつわるもの」として臨床推論の話を進めたいと思います。
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