特集 「願い」を問う、つなぐ、叶える—訪問看護はどのように意思決定を支援し、実現するか
—【事例報告❶】—「訪問看護ならでは」の意思決定支援とは—世代を超えて関わった複数の事例から
高砂 裕子
1,2
1南区医師会訪問看護ステーション
2全国訪問看護事業協会
pp.310-316
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201177
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私が所属する南区医師会訪問看護ステーション(機能強化型2)は開設24年で、現在は看護師17人、理学療法士1人、作業療法士2人、事務職員3人で運営している。併設事業所には居宅介護支援事業所、南区在宅医療連携拠点事業南区在宅医療相談室がある。対象地域は下町の高齢者が多い地域で、現在の利用者は医療保険50人(うち小児13人、精神障害者12人)、介護保険84人(2019年3月末時点)。開設準備から管理者、訪問看護師として地域に密着した実践を心がけてきた経験から、訪問看護の意思決定支援について考えていきたい。
意思決定支援というと、人生の最終段階における医療やケアに対するものであるかのようにイメージしがちであるが、人々は生活するうえではさまざまな意思決定を重ねて生きており、訪問看護はそのすべてに対して関わる可能性がある。つまり、そもそもにして訪問看護は、利用者の生活全般に対する意思の尊重を基盤とした活動であり、利用者の意思決定能力への配慮や早期からの継続支援により、人生の最終段階の意思決定支援につながるものであると考えられる。
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