特集 訪問看護の意思決定支援—いつ何をどう行なうことなのか
—【事例報告❸】—がん患者の治療から看取りまで段階・手順に応じた意思決定支援を—医療コーディネーターとしての経験から
岩本 ゆり
1
1楽患ナース株式会社訪問看護ステーション
pp.113-120
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200098
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私のキャリアは、病院助産師から始まりました。正常な妊娠・出産であれば自立して関われる助産師から看護師にキャリアチェンジしたことで、大きなとまどいがありました。なぜ看護行為を行なうのに医師の指示が必要なのか、なぜ医師と患者さんの意見が違うとき患者側に立つと「チームを乱す」と言われるのかなど、アイデンティティの揺らぎに直面したのです。
看護師とは何を求められている職業なのか。その答えを“病院の外”で探る活動を始めました。まず2000年に、患者支援団体NPO法人「楽患ねっと」を設立。患者さんの本音を多数聞いていくなかで、中立的な立場で患者の意思決定をサポートする役割が必要だと気づき、2003年「医療コーディネーター」として開業しました。また2010年には、東京都足立区で、緩和ケアを中心とする訪問看護ステーションを開所。現在のスタッフは看護師9名(常勤4名)で、利用者数は50名、延べ訪問件数は約300件/月です(2014年12月現在)。繰り返しゆっくりと関わることができる訪問看護は、患者の意思決定にも深く関われる職種であると実感しています。
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