連載 認知症の人とその家族から学んだこと—「……かもしれない」という、かかわりの歳月のなかで・第23回
「居場所」が拓く「在宅」の新しい個別ケアのかたち
中島 紀惠子
1,2
1新潟県立看護大学
2北海道医療大学
pp.214-215
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201142
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ちいさな対話に大きなヒント
かつて学生だった仲間が、寒中見舞いにとわが家を訪れてくれたので、前回(本誌2019年2月号)を素材に、抄読会もどきの対話をさせてもらった。そのなかで語られた「第3の居場所と、それ以前の第1、第2の居場所との違いはどんなことなのか」、そして「訪問看護師特有の高度なコミュニケーションのイメージがつかみにくい。病院のそれよりも高度ということなのだろうか?」という問いには、書き手として反省しつつ大きなヒントをいただいた。
前者は、私にとって思いもよらなかった問いであるが、かつて「高齢者が」安心して暮らせるまちづくりがいわれていた時代から、いつの間にか「高齢者」がいなくなったこと、その「居場所」の考え方の変遷を辿るヒントをもらった。後者は、何かしらの違和感を覚えるといったニュアンスを含む問いで、私は、実践そのものであるコミュニケーションに「色をつける」ような書き方をしたことを悔やみつつ、もう一度書き直さないといけないという思いを強くした。
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