特集 「面」で支える子どもの暮らし—看護職はいかに連携することができるのか
—【「面」で支える看護職を育てる仕掛け❶】—医療機関と地域の看護職が知識共有を進めるには工夫が必要だ
谷口 由紀子
1
1淑徳大学看護栄養学部看護学科地域看護学
pp.654-657
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201001
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始まりは小児訪問看護研修
千葉県における医療的ケア児等への看護職の育成事業は、2011年千葉県障害福祉課単独事業として小児訪問看護センター事業が始まり、2013・2014年の厚生労働省小児等在宅医療連携拠点事業を経て、現在に至っています。事の発端は、2011年度の千葉県障害福祉課療育支援専門部会が実施した「県内重症児生活実態調査」の結果で、県内訪問看護ステーションで小児への訪問看護に対応できるステーションの割合は30%台で、保護者からは「利用したくても受けてもらえない」といった意見が寄せられたことでした。
ステーション側の受けられない理由の大半は、「小児経験のある看護師がステーション内にいない」「研修がなく、どのように子どもたちを看護してよいかわからない」といった回答で、県内で統一した小児訪問看護が提供されるよう、研修を実施することとなりました。そこで上記療育支援専門部会の下部組織として千葉県障害福祉課が主宰した「訪問看護研究会」にて、研修プログラムについて議論し、作成しました。訪問看護研究会メンバーには、筆者をはじめとした療育支援専門部会医療職委員4人に加え、千葉県医師会、千葉県周産期研究会から医師、千葉県看護協会、千葉県訪問看護連絡協議会からは看護職、千葉県庁障害福祉課相談支援専門部会から相談支援専門員、千葉県こども病院や千葉リハビリテーションセンターの看護管理者が参画しました(現在も年に数回開催)。
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