特集 「面」で支える子どもの暮らし—看護職はいかに連携することができるのか
「面」で支えることがなぜ必要なのか?
谷口 由紀子
1
1淑徳大学看護栄養学部看護学科地域看護学
pp.616-618
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200990
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事例から見える、医療的ケア児らの暮らしと看護
A君は、生後3か月でデュシャンヌ型筋ジストロフィーと診断され、呼吸器を装着した。その後、経口での哺乳が困難であると診断を受け、経鼻経管栄養となったが、2歳近くまで呼吸器感染をくり返すため、退院できずにいた。ようやく状態が安定し、退院に向けた調整を開始。訪問診療と訪問看護をまずは導入し、退院することになった。
訪問看護は入院中の在宅移行期から関わり始め、退院後2週間は連日訪問し、状態が安定するよう家族に対する助言指導を行なうと同時に全身状態の管理を行なった。A君の状態は退院後2か月で安定し、側臥位が嫌いなA君に体を動かすことの楽しさ、苦手なことの克服を通じて困難に立ち向かう力を高められるようにした。その後、座ることも大嫌いだったA君は、座位を楽しめるようになった。退院半年後からは、家族と外出することをめざし支援を開始した。
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