看護職と医学知識

　近年，特に脱公害を叫ぶ社会の人びとは医療にかける期待も大きく，また関心も深い．医学知識の情報もあらゆる機関を通じて吸収し，うっかりすると看護専門職であるわれわれよりも深い知識をもっていることを，看護する者は記憶すべきである．そこで看護職と医学知識について考えてみたいと思う．

　看護婦が患者を安全にまもり，健康生活への援助行為を実践し，また健康生活指導の役割を果たすキーポイントについて考えるとき，当然医学知識が基本であることは今さら口にするまでもないが，その当然であるはずの医学知識を看護の場面にじょうずに活用できない弱さが，今日の看護の伸び悩みの因子になっていることは事実である．