特集 訪問看護師が経験する「暴力」
—【調査報告】—訪問看護師が利用者・家族から受ける暴力の実態と対策—兵庫県下における実態調査の結果から
林 千冬
1
,
今岡 まなみ
2
,
藤田 愛
3
,
山﨑 和代
4
,
遠藤 理恵
5
,
花井 理紗
1
1神戸市看護大学
2前・神戸市看護大学
3北須磨訪問看護・リハビリセンター
4西宮市社会福祉事業団訪問看護課
5訪問看護ステーションアスカケアライフ
pp.847-857
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200812
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訪問看護師が利用者・家族から受ける暴力の実態解明を目的に、兵庫県下で同意の得られた83施設・600名の看護職を対象に質問紙調査を実施し、返信のあった358名分のデータを分析した。その結果、これまでに利用者やその家族・親族等から暴力を受けた経験のある者は180名(50.3%)で、その内容は身体的暴力と精神的暴力の双方で、多岐にわたっていた。「もっとも印象に残った事例」を尋ねた結果、暴力の行為者は、認知症、脳血管疾患、精神疾患の利用者が多かったが、約4分の1は家族からの暴力であった。看護師の対処は、「相手の言い分をただただ傾聴した」が最多で、我慢やあきらめといった対処も少なくなかった。事業所の対策や対応に関して、「訪問看護の仕事が安全である」と感じる看護師は半数に満たなかった。
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