特集 ケアのプロセスを見える化する
これからの訪問看護は標準用語で見える化しよう
川村 佐和子
1
1聖隷クリストファー大学大学院
pp.610-613
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200753
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
在宅医療の制度化以前
在宅医療が制度化されて、四半世紀が経ちました。それまでは、医療は医療施設(病院、診療所など)のなかで提供されるものであり、人々は健康に異常を感じると医療施設に行き、外来診療室で医療を受けていました。そして、受ける医療内容が専門性の高い医療環境を必要とする場合には、医療施設に入院して、急に重い症状に見舞われた場合は、24時間365日受け付けている医療施設の救急外来診療室に行くか往診を受けていました。往診は診療報酬上では、緊急対応として外来扱いでした。つまり、それまでは、外来通院困難な状態の人々が恒常的に自宅で療養するということは、制度上では認められていなかったということです。
現在のような訪問看護は、在宅医療が制度化されるまではありませんでした。類似した看護活動としては、保健師が人々の自宅を訪問し、保健活動を行なっていたことが挙げられます。この活動は、第2次世界大戦(1945年に終結)後に、全国的に医師が不足しており、医師不在の地域では、住民は健康問題が起きると保健師に頼り、保健師は各戸を訪問して看護していました。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.