連載 American Nursing Informatics[3]
データの標準化と看護用語
鈴木 美穂
1
1ニューヨーク大学教育学部看護学科博士課程
pp.260-265
発行日 2004年3月10日
Published Date 2004/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100465
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コンピュータ科学と情報技術の進歩により,大量の情報を容易に蓄積し動かすことが可能となりました。しかし,その情報を活用するためには,異なるユーザー,施設・機関間でコミュニケーションし共有できるよう,互換性をもたせるための共通のルールと定義が必要です。現在の情報技術は,未だデータの構造上のあいまいさや意味内容を取り扱えるほどのレベルには達していません。データスタンダードは,コンピュータが処理できないデータのあいまいさを軽減し,データのもつ真の意味に基づいたアクションを可能にしようという試みです。看護データの標準化の動きも,同様に,看護現象をいかに適切な意味を保持したまま,万人が同じ意味で捉えられるデータや情報としてコンピュータシステム上に表現できるかを目指しています。これを成し得て初めて,電子カルテが有意義なものとなり,エビデンス・ベースド・プラクティス(EBP)につながる情報・知識の蓄積が可能になります1)。
そもそもデータとは,構造化されていない,コンテクストのないところに存在する個々の事実の集合です。データがコンテクストのなかで解釈され,意味をもつ構造を与えられたとき,そのデータは情報となり,そして,さまざまなコンテクストにおける情報が何らかのルールに従って集積されたとき,それらは知識となるのです2)。
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