特集 ケアのプロセスを見える化する
訪問看護を連続性のあるものにするために—訪問看護実践用語の共通化・標準化
水流 聡子
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1東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻品質・医療社会システム工学寄付講座
pp.614-620
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200754
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訪問看護師が収集する患者状態に関する情報
在宅療養中の患者の状態について、訪問看護師が収集する情報は、主治医にとって大変重要なものであり、遠隔で患者状態のアセスメントをする際に利活用される必要があります。また、主治医と訪問看護師の間で共有する患者状態情報は、標準的な観察項目として、共通認識されているべきです。しかし、同じ観察項目をいうときの名称表現が、主治医-訪問看護師間、あるいは同僚の訪問看護師間で異なり、情報が正しく共有されないことがあります。また、観察結果の表現が異なることもあるため、担当する訪問看護師が代わると、患者の観察結果およびケアの連続性が担保できなくなるという困った状況が起こっています。
つまりこれは、訪問看護師が用いる観察項目の名称と結果表記の標準(共通のものさし)がないということが大きな要因なのです。そこで、本稿では訪問看護で用いる用語の共通化・標準化の必要性、重要性について考えてみたいと思います。
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