とびら
スタッフと共有したい「想い」
岡持 利亘
1
1霞ヶ関南病院
pp.205
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100045
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- 文献概要
仕事を通して知り合った多くの方々の中で,特に記憶に刻まれたご夫婦がいる.障害のある奥様をご主人が見守りながら,長きにわたって当院のサービスを利用されてきた間に,入退院や在宅療養,病状の変化など様々な出来事があった.その奥様が亡くなり,1年が過ぎる.
最期は,ご主人と2人の娘さんの他に,回復期から維持期・終末期までの10数年間にご家族と関わったスタッフに見守られながら,そっと息を引き取られた.静かに逝かれるとき,ご主人は妻の頬にそっと触れながら,振り返るようにつぶやかれた.「こんな,しわくちゃになってしまって・・・50年か・・・ええ時もあった・・・.」夫婦間の愛情に触れたような気がして,今でも目に浮かぶ情景である.
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