連載 レジデントのためのオンコロジーカンファレンス[2]
絶対に見逃してはいけないがんとは?
勝俣 範之
1
1日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科
pp.154-165
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200057
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79歳女性、腹部膨満感を認める
勝俣 患者は79歳、女性。主訴は貧血の原因検索です。2ヶ月ほど前より腹部膨満感があり、都内某病院を受診されました。腹水貯留を認め、精査のため入院となっています。上下部消化管内視鏡検査にて異常なし。乳腺エコー、マンモグラフィー検査で異常なし。婦人科受診で、婦人科的疾患なし。泌尿器科受診で、泌尿器疾患なし。ですが、腹水の貯留を認めたということだけは明らかです。体重減少なし、食欲あり、便秘・下痢はなし。
腹水細胞診では、adenocarcinomaを認めました。また、核腫大、核小体明瞭、クロマチン増量を示す異型細胞を、大小の集塊で認めます。核偏在、細胞質淡明・空胞を呈し、悪性で腺がんを推定します。
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