特集 訪問看護の“あと10年” 2025年までにやっておきたい○つのこと
少子高齢化のまちに必要な看取り支援、災害対策、次世代育成に取り組む
中島 由美子
1
1訪問看護ステーション愛美園
pp.35-39
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200074
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訪問看護ステーション愛美園(以下、愛美園)のいちばんの特徴は職員の離職が少ないことで、事務員以外はこの7年間退職者がおらず、毎年、1人、2人と職員が増えています。看護方式はプライマリーナーシング制をとっており、関係機関との連携や看護計画立案、訪問の調整まで、1人ですべてを担当してもらっています。そのため、スタッフ1人ひとりの責任は重いのですが、毎朝のショートカンファレンスや必要時に行なうランチョンカンファレンスを利用して、情報の共有や相談を行ないながら、やりがいをもって看護を提供しています。
愛美園の主な訪問範囲の茨城県桜川市と筑西市は、農業が主産業の小さな地域です。人口は両市合わせてもおよそ15万人ほどですが、この5年間は毎年1300人程度ずつ減少しています。まちには商店街がなくなり、バスが廃線し、荒れ放題の空き家があり、訪問先では大黒柱のお父さんが失業して主介護者だったお母さんがパート勤務になり、おばあちゃんの介護をしているのは就職先のないお孫さんだったりする、典型的な景気低迷および少子高齢化の影響を受けている地域です。契約時には、「あまりお金をかけないで介護をしていきたい」とみなさんがおっしゃいます。
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