特集 2014年度診療報酬改定からの展望「ときどき入院、ほぼ在宅」への射程
2014年度診療報酬改定から「改正介護保険法」を見通す―“低コスト構造”の地域包括ケアへの布石
高野 龍昭
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1東洋大学ライフデザイン学部生活支援学科
pp.559-565
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102839
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地域医療・介護総合確保推進法案*1の国会での審議が進んでいる。本法案は、「社会保障と税一体改革」(以下、一体改革)を具体的に進めるべく(p.524)、医療・介護・福祉に関する多数の法律*2を一括して見直し改正するもので、今国会会期中の本年6月には成立の見込みである。この法案のなかには「介護保険法」の改正案(以下、改正介護保険法)も含まれ、2015年4月には施行される予定である。さらに、3年に1度の介護報酬改定も、この内容を受けて同時期に行なわれることになる。
この改正介護保険法は、2012年8月に成立・施行された「社会保障制度改革推進法」と、それを受けて翌年8月に発表された「社会保障制度改革国民会議報告書*3」(以下、国民会議報告書)に基づいて行なわれる年金・子育て支援・医療・介護などの社会保障制度改革の一部である。この流れのなかで、医療保険制度と介護保険制度の一体的改革の方向性が明確に示されてもいる。すなわち、2014年度診療報酬改定(以下、本改定)には、2015年度介護報酬改定の一端がすでに表われているとみることもできよう。そこで本稿では、本改定に基づいて次の介護報酬改定を見据え、なかでも訪問系サービスに焦点を絞って展望する。
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