特集 在宅で「肺炎」を予防・改善・治療する!―「それでも食べたい」との両立も
「医療・介護関連肺炎(NHCAP)」の治療―「入院」の見極めから「抗菌薬」の使い方まで
乾 啓洋
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院総合診療科
pp.399-404
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102792
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筆者は現在、感染症診療をサブスペシャリティとして都内大学病院で総合診療を行なっている。離島医療における在宅診療や、当大学の附属病院である高齢者医療センターでの高齢者医療にも携わってきた。そうしたなかで、数々の肺炎患者も治療してきた。発熱を主訴に入院した後期高齢者の半数が肺炎であったとの報告*1や、高齢者市中肺炎の死亡率は15%で、死亡群のほうが平均年齢が高いとの報告*2があることからも、高齢化の進む日本において「高齢者の肺炎」は重要な疾患だと言える(p.358)。
近年、在院日数の短縮化が求められ、在宅医療が重要視されている。このため入院の要否を含めた適切な肺炎治療が求められている。そのような状況の中で、2011年8月、日本呼吸器学会により「医療・介護関連肺炎(NHCAP:nursing and healthcare-associated pneumonia)」が位置づけられた*3。在宅医療・介護の現場で出会う肺炎のほとんどはNHCAPである。そこで本稿では、NHCAP診療を概説し、肺炎治療における「在宅」と「病院」の連携についても考えたい。
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