連載 「医療」と「福祉」再編の時代へ 「介護職員等による喀痰吸引等の法制化」を読み解く・第2回
なぜ「法制化」が必要だったか?
高木 憲司
1
1厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
pp.666-670
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102575
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2012年4月に「介護職員等による喀痰吸引等実施のための制度*1」(「社会福祉士及び介護福祉士法」の一部改正。以下、本制度)が成立し、介護職員をはじめ、特別支援学校の教員やボランティア等、非医療職種が喀痰吸引等の医行為を行なえるようになったことは前回述べたとおりです。
しかし、これらの医行為は、2012年4月以前も「実質的違法性阻却」(前回Q&A参照、p.575)というかたちで、やむを得ない状況では一定の条件下に限って介護職員等にも許容されていました。にもかかわらず、なぜ今「法制化」しなければならなかったのでしょうか? その理由は、本連載のテーマである「医療」と「福祉」の統合・再編がいよいよ必要になってきている背景にもなっています。
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