Japanese
English
実践講座 職業リハビリテーションの現状と問題点(6)
職業リハビリテーションの理念と法制
Idea and Legislation of Vocational Rehabilitation.
高藤 昭
1
Akira Takafuji
1
1法政大学社会学部
1Department of Social Science, Hosei University
キーワード:
職業リハビリテーション
,
勤労権保障
,
ノーマライゼーション
Keyword:
職業リハビリテーション
,
勤労権保障
,
ノーマライゼーション
pp.473-477
発行日 1990年6月10日
Published Date 1990/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106290
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はじめに
当初,“更生”と訳され,まだその意味が一般にはよく理解されていなかった「リハビリテーション」という言葉が,法令用語として最初に登場したのは,昭和40年の労災保険法改正による保険施設の一つとしてであった.それ以後,4半世紀,特に「身体障害者雇用促進法」(昭和35年)から「障害者の雇用の促進等に関する法律」(昭和62年.以下,障害者雇用促進法と略称)への進展によって,この言葉は今では法令用語としても,法制度としても定着し,発展の方向を辿っている.
この間,障害者数の増加,障害者の高齢化,障害の重度化・重複化,精神系障害者(精神薄弱,障害)保障への要請の高まりなど,障害者保障をめぐる状況の変化があり,また思想的には1981年の国際障害者年を経過して,職業リハビリテーションの概念や,さらに現実の制度のあり方にも影響を与えることになる国際的規模での障害者保障の理念の大きな進展があった.
本稿ではこのような経過を背景として,まず「職業リハビリテーション」の概念,現在においてそれを支える理念や原理について述べたのち,現行法制を検討し,その課題を明らかにしたい.
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