特集 小児在宅ケアが変わる
小児在宅医療の新時代のために
前田 浩利
1
1子ども在宅クリニックあおぞら診療所墨田
pp.198-204
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102132
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
小児在宅医療のニーズの高まり
小児在宅医療の重要性が高まっている。その背景に、在宅医療の対象となる子どもの急速な増加がある。わが国の新生児医療は、世界一の救命率を誇っており、全国で小児集中治療室(PICU)の整備が進みつつある。救急領域でも、小児の救命率は向上している。
一方で、救命した子どもたちのなかには、人工呼吸器などの医療機器に依存して生活せざるを得ない者がいる。このような子どもたちは退院できないまま、新生児特定集中治療室(NICU)あるいは小児科のベッドを数年、場合によっては10年以上にわたって使用している。とくにNICUの問題は深刻で、“NICU満床問題”として社会的にも注目された。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.