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3Dオルガノイドが拓く新ゲノム医療時代
加藤 容崇
1,2
1慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
2北斗病院病理・遺伝子診断科
pp.861-863
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207640
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ゲノム医療の現在と課題
2000年代半ばに米国で,次世代シーケンサー(next generation sequencer:NGS)が登場した.従来型シーケンサーと比較して桁違いに高速に塩基配列を読み出せるNGSの登場により,医療は大きな変革期を迎えている.
特に大きな影響を受けているのが,癌の領域である.従来の癌診断および治療は,病理標本を顕微鏡で見て診断し,病理診断に基づいて治療を行う,いわば形態学がベースである.しかし,人間でも同じであるが,悪い顔をしている人が本当に悪い人であるとは限らないし,善人の顔をしていても本当は悪い人であることもある.すなわち,形態学だけでは本当に正しい診断はできない.これまでは,診断する手段が形態学しかなかったため,医学者たちは形態学を進化させ,精度の高い診断を追求してきた.それが“病理学”である.
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