特集 高齢化社会と在宅ケア
住民の生活実態の読みとりと保健婦活動
日本看護協会神奈川県支部昭和61年度保健婦職能集会より
要援護者処遇会議の中から
山田 豊美
1
1清川村役場保健衛生課
pp.898-902
発行日 1986年11月10日
Published Date 1986/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207229
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1.地区概況
清川村は首都50km圏,神奈川県西北部の東丹沢山麓に位置し,総面積71.95km2の県下唯一の村で,宮ケ瀬地区と煤ヶ谷地区から成りたっている(図1)。面積の94%を山林が占め,昔から農林業を中心とする純農村として発展してきた。しかし,近年隣接市町の都市化・工業化が進み,第2・第3次産業従事者が大半を占めるようになり,主婦のパート就労なども増えている。
村の人口は,昭和50年以降住宅団地造成などの影響を受け一時は3,600人までに達したが,昭和58年,都市部への水資源供給基地として宮ヶ瀬ダム建設の本格化が進み,水没住民の大部分が村外へ転出し,昭和61年4月1日現在,人口2,859人,世帯数747戸に減少した。その内65歳以上人口は1割強を占め,県下では高齢化の進んだ地区である。古くから続いている三世代同居の良さや,近隣の助けあいなど人情の通いあう良い面が残されている反面,封建的な考え方が根強く残っている部分もあり,老人を抱える家族にとっては,時には追いつめられるような気持ちになる事も起りうる土地柄である。
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