特別記事
在宅でも実行可能な呼吸リハビリテーション(応用編)
安部 能成
1
1千葉県立保健医療大学健康科学部リハビリテーション学科
pp.292-297
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101583
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前号では基礎編として呼吸リハビリテーションの基本について述べた。そのポイントはエネルギー消費の少ない,その意味で身体的負担の少ない活動を心がけよう,ということであった1)。
これを自動車にたとえていえば,今まで乗っていた3ナンバーの中型車から経済的な軽自動車に乗り換えるようなものである。たしかに,動力性能は落ちるかもしれないが,燃料消費は確実に少なくて済む。そのようにして走り続けよう,今後も活動水準を維持しよう,というのが第二のポイントである。だから,呼吸リハビリテーションは経済的な活動は推奨しても,ベッドの中に留まったままの怠惰な生活からは距離を置いている。ベッドに留まり続けることは呼吸の問題にとどまらず,廃用症候群まで引き起こすからである。これは命取りになることもあり侮れない2)。
本稿では応用編として「朝起きてから夜寝るまで」,エネルギー消費を抑えるにせよ,動作の能率を上げて,活動そのものはあきらめないという立場から,呼吸リハビリテーションの実践,あるいは,日常生活への応用について解説したい。
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