事務長某月某日
有言実行の美
大野 濶
1
1岡山赤十字病院事務部
pp.41
発行日 1966年2月1日
Published Date 1966/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202783
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仕事の上で,私の日頃から念願していることは,如何にして,良きミドルとトップの二面性をもつマネージメントなるか,ということである。その条件として,幸いに私に恵まれていることが3つある。その1つは,私の病院歴が軍病院17年,赤十字10年の体験である。その2つは,院長とは軍病院の後半から旧知の間柄で,終戦後10年間の日赤支部時代を経て一層人間関係を深めて来た。その3つは,院長と年齢差がわずか6か月,私が弟である。したがって仕事の上でも,私情においても,気安く話し合える親近感が持てる。これに加えて副院長が人格者であることも,病院経営管理上大きくプラスしていると思う。
もちろん院長,副院長,事務部長という職務上では厳然と一線を引くエチケットを忘れたことはない。近代病院の組織管理は院長の個性を病院経営に持ち込むことではなく,病院の性格,社会的使命を基盤として経営理念を確立し,将来計画を樹立して,良き院長補佐に精進することである。近時労務管理の良否は病院の死活問題であるだけに,当面する事務部長の職責は,重かつ大である。それには,それだけの腹ができていることが不可欠の条件である。
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