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第5土曜特集 細胞死のすべて――そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
アポトーシスと非アポトーシス細胞死
カスパーゼによるアポトーシスの実行
Execution of apoptosis by caspases
瀬川 勝盛
1
,
宮田 佑吾
1
Katsumori SEGAWA
1
,
Yugo MIYATA
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所医化学分野
キーワード:
細胞死
,
アポトーシス
,
カスパーゼ
,
システインプロテアーゼ
,
ブレビング
Keyword:
細胞死
,
アポトーシス
,
カスパーゼ
,
システインプロテアーゼ
,
ブレビング
pp.329-334
発行日 2022年10月29日
Published Date 2022/10/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28305329
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50年以上前に昆虫の発生期に死んでいく細胞が観察され,このプロセスはprogrammed cell death(計画的な細胞死)と表現された.その後,哺乳動物の胎児期や成体のさまざまな組織や局面においても同様の特徴的な形態変化を伴った死細胞が見出され,その死の様式は “アポトーシス” と名づけられた.アポトーシスはカスパーゼとよばれる一群のシステインプロテアーゼによって実行される.カスパーゼは通常,不活性型で存在するが,アポトーシス時に活性化され,数百からなる細胞内の標的タンパク質を切断する.この切断がアポトーシスを特徴づける形態変化,すなわち染色体DNAの切断,クロマチンの凝集,細胞膜のブレビング,ホスファチジルセリン(PS)の細胞表面への露出などを引き起こす.本稿では,カスパーゼによる基質の切断がどのようにアポトーシスを実行するのか,その分子機構について概説する.
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