特集 廃用症候群を予防する
急性期症状の治療と廃用症候群の予防,退院支援について
坂田 貴代
1
1NTT東日本関東病院
pp.98-100
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101531
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近年,高齢化の進展がめざましく,手術を受ける高齢者の数も激増しています。一方,医療制度改革により在院日数が短縮化され,医療の構造は入院から地域・在宅へと転換が進んできました。それに伴い,リハビリテーション医療は,急性期,回復期,維持期という病期別の分類が定着し,包括的な介入が普及しつつあります。
当病棟は外科・皮膚科・小児科の混合病棟で,胃癌,大腸癌,食道癌,肝癌などの消化器疾患を中心に,甲状腺や乳腺疾患,ヘルニア,痔なども含め,年間約1400件以上の手術が行なわれていますが,数年前まで,「リハビリは急性期を乗り切ってから」という考えのもと,急性期患者に対するリハビリはほとんど行なわれていませんでした。
ところが手術を受ける患者の高齢化に伴い,術後に廃用症候群や嚥下障害を併発し,回復が遅延し,何らかの介助が必要とされながら自宅退院となるケースが増えていることが明らかになってきました。
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